以前の投稿で行政書士会が東京都と空き家対策で提携をしたという記事をだしましたが、空き家と同様に耕作放棄地の問題も大きな社会問題となりつつあります。
農水省によると、この20年で約40万haの土地が耕作放棄地となったようです。
40万haといってもピンと来ないかもしれませんが、滋賀県の面積に匹敵するとの事で、約1県分の面積が何に使われるわけでもなく、放置されているというのですから驚きです。
狭い島国ニッポンにおいては、旧来から土地の有効活用が叫ばれておりますが、これと逆行する数字といえます。
「使わないのなら、売ったり貸したりすれば良いのに・・」と考えるところなのですが、日本人独特の感性として、「先祖代々伝わる土地を売る事への抵抗感」や「土地を貸すという事に慣れていない」ために農地の有効活用は十分にできていないのが事実です。加えて、農地という特異性から、取引市場が十分に発展していないという事も背景にあります。
その中で注目されるのが、今回ご紹介する農地中間管理機構(農地集積バンク)です。
この機構は、耕作しなくなった土地を所有者から借受け、農地を必要としている人(法人)に貸し付けるという事業を行っています。
土地の借手メリットとしては、機構が必要と認める場合は基盤整備等の条件整備を行い、まとまりのある形で農地を利用できるように配慮して貸し出してくれる事です。
日本の農地は集約化が遅れており、小規模でいびつな形の農地が多いため、機械化や大規模化の妨げになっています。この問題を機構が解決した上で貸し出しをしてくれることも場合によって可能であるという事です。
貸し手側も自身の土地だけでは借り手が見つからない場合も周辺の土地と合わせることで借り手を見つけられるメリットがあります。
国が関与する機構である点も、日本人の感性に受け入れられやすいのではないかとおもいます。
さらに、機構へ農地を貸し出した場合には、地域集積協力金(地域が対象)、経営転換協力金、耕作者集積協力金などの対象になれる場合もあります。
耕作を断念する場合や相続の場合などに選択肢の一つとして検討材料に入れてみてはいかがでしょうか?

弊所では、このような視点も取り入れながら、農業分野での継承や相続について総合的なアドバイスと実務を提供しております。